多重債務に苦しんでいる人にとって、借金の返済は日常的にとても重くのしかかってくると思います。常に借金の問題を抱え生活していく事はとても辛いものです。では、借金から抜け出すために取れる手段ってどんなものがあるでしょうか?借金から抜け出す方法を色々と検討してみました。
好きで借金をする人はいません。借金の問題は必ず解決します。
その一番の秘訣は「1人で悩まないで相談すること」これが借金の問題を解決する第一歩です。
借金から早期に抜け出す方法
一度膨らんでしまった借金は、残念ながらそれをすべて無くすという事は困難な事と言えます。では、借金から抜け出せる手段として、具体的にはどういった手段があるでしょうか。思い当たる方法としては、次の3つの方法です。
膨れ上がってしまった借金を返済する主な方法としてはこの様な手段があります。それでは1つ1つの返済方法について説明していきます。
身近な人から借金を建て替えてもらう手段
まずは、この手段を考えてみて下さい。身近な人(身内、友人など)に無利息でお金を借り、立て替えてもらう事が出来るのであれば、借金地獄から抜け出せる一番最良の方法でしょう。利息などが発生しないのですから。しかし、この手段には
・あなた自身の信用により貸してくれるかどうか分からない
この様な勇気とリスクを伴います。正直、かなり親しい人でお金が十分あり、あなたに信用をおいている様な人ではない限りは、貸してくれないでしょう。しかし、もしこの手段が取れる可能性のある人が身近にいるのであれば、次の手段を検討してみて下さい。
おまとめローンや借り換えローンを利用する
多重債務から抜け出すためには、利息を出来るだけ軽減する事で、あなたの借金返済金額も大きく変わります。複数社からの借入があるのであれば、金利の低いおまとめローンや借り換えローンにまとめてしまい、借金総額を減らす努力をしてみましょう。しかし、この手段には、
・借り換えが出来たとしても、今より利息が上がってしまう
というリスクがあります。おまとめローンは、アコム、プロミス、アイフルといった大手消費者金融の他に、多くの銀行で借り換えローンを商品として展開しています。ただ、この審査は通常の融資を受ける時より厳しいと言えます。なぜなら、それは多重債務に陥っているという事が前提にあるからです。大抵、その様な状態の人は、既に返済能力を超えた借入を行っていると判断される事が多く、融資を受けられる可能性が低いのです。一般的には、借金総額が150万円程度までならおまとめ、借り換え出来る可能性は高いです。しかし、それ以上になってくると、あなたの収入にもよりますが、借金の1本化はかなり厳しい可能性が高いでしょう。
債務整理をし、借金を軽減する
誰からもお金を借りられる事が出来ず、1本化も難しいという人は債務整理という手段を検討しましょう。債務整理は、現状の借金を軽減し、確実に借金を返済出来る手段の一つです。任意整理、個人再生、自己破産といった手段がありますが、いずれも現状よりは借金総額が削減できる手段です。しかし、この手段には、
・場合によってはあなたの資産を手放さなければならない
というリスクがあります。ですが、確実に借金総額は減ります。もしあなたが、借金問題で困っており、自分ではもうとり得る手段が無いという状況であれば、弁護士や司法書士に相談し、債務整理という手段を取るべきでしょう。今のままでは、何の解決にもなりません。
この様に、借金から抜け出す手段としては、第三者からお金を借りる手段か、法的に借金軽減をしてもらう手段となります。第三者から融資を受ける場合は、確実に借りられるかどうかが定かではありませんし、今後の人間関係もギクシャクする可能性が高いです。一方で、債務整理はあなた自身にそれなりのペナルティーがあるものの、人間関係のもつれは発生する事はないでしょう。あなたの借金を、あなた自身の手で整理するには債務整理という手段を取る事をお勧めします。
実際に債務整理しました
では実際に借金の返済手段として債務整理した人たちの体験談を紹介します。
婚活についての体験談はこちらに載せています。
●債務整理は早期決断の大切さを教えてくれた
私は47歳、広告デザインの仕事をしています。私が借金を抱えてしまった原因は、ギャンブルでもなけらば、親の負債でもありません。そういう環境との縁もなかったので、借金自体、私には無関係だと思っていました。私自身、独身であればなかった話かも知れません。
結婚をして家を購入し、子供も二人と、贅沢はしていないながらも、充実した日々を過ごしていたのですが、会社の状況が厳しくなり、給料やボーナスカットなどが、8年続いた中での生活を回す為に止むなく、カード払いで補填を繰り返した結果、500万円超の借金を抱えてしまいました。中々、好転しない会社、そこに付随しての家庭内の経済状況の悪化。もう支払い自体、カード満額を使った中での方法が債務整理でした。
私は自分で撒いた種は自分でと言う思いから任意整理を希望したのですが、額が大きいだけに個人再生を勧められました。裁判所が介入する事に抵抗があったのですが、そうは言っていられない状況もあり、個人再生の決断を止むなくいたしました。時間と労力は掛かりましたが、今、振り返っても、諸々のリスクを差し引いても、個人再生を選択して良かったと思っています。
個人再生の中で500万円超あった借金が、130万円まで圧縮された事で、どれだけ日々の生活が楽になったか計り知れません。相談してから認可まで、約10ヶ月掛かりました。ただ、この期間があったおかげで、お金に対しての新しい価値観が構築された様に気がしています。今では感謝の思いと早期決断の大切さを経験させて頂きました。今では少しづつですが、貯金の喜びを感じています。
●借金のこと弁護士に相談してよかったです
私の債務整理の経験について話します。その前に簡単に私の事を話します。私は43才で不動産関係の会社の販売スタッフをしておりますエリアマネージャーをしております。10年ほど前、収入が少なくなった際に消費者金融A社から数万円借りたのが借入の始まりです。最初は、借り入れに関して恐怖がありすぐ返そうと考えていましたが、数か月たつと全く抵抗が無くなり、パチンコや生活費の充当にカードを利用し、あっという間に限度額の50万円となりました。
このカードの返済のため2枚目をB社から作り、しばらくたつとまた限度額になり、そしてC社3枚目を作るとA社から限度額のアップの電話が入り、限度額を増やしました。こういう事を繰り返して、カードと限度額はどんどん増えていきました。幸か不幸か総量規定の網の目をくぐって、収入からは考えられない負債となっていきました。10年間で15社1500万円の借金になっていました。ショッピング枠も使っていたので、次月の支払いが150万円になった時、「これはもうどうにもならない!!!」と思いました。友人、親戚に借金の相談をしましたが、一掃されました。
取引先のお客様にお金を貸してほしいとお願いしたり、会社を辞め退職金200万円を受け取り2ヶ月だけ生き延びようとか、死んでしまおうとかも考えました。今考えると本当に恐ろしい思考回路でした。その後、相談した親戚から弁護士に相談するよう勧められ、相談に乗っていただきました。弁護士の先生からは、「個人再生ができる可能性がある」との事で、藁をもすがる思いでお願いしました。先生にお願いしてから手続きまでの間は、指示に従い必要書類を集めたり、家計簿をつけ提出したり、個人再生委員の先生と面談したりとスムーズに進みました。
そして裁判所から「個人再生の決定通知書」を交付されました。あの時、弁護士の先生に相談して本当に良かったです。決定後、まだ半年ほどですが、毎月5万円前後の金額を遅れずに支払っております。今はもちろん借入することなく、限られた収入で生活を行っております。二度とあのような事を起こさないように一生懸命、仕事や家庭に尽くしていきたいと考えます。
●自己破産の現実とは
58歳の専業主婦です。まず、自己破産の金額は1000万にも満たなかったと思います。借金の原因になったのは子供を私立の小学校へ行かせるために塾に行かせたことが主な理由です。当時は主人の年収も700万~800万円くらいありましたので、そんなに借金のことは気にしていませんでした。ところが、主人も私もカードを作ったら、思わぬ借金が増えてしまいました。子供の塾代も思っていたよりとてもお金が掛かりました。春季講習、夏季講習など、そのたびに100万円近く出費がかさみ借金はどんどん膨れ上がっていきました。
その当時は、今のように債務整理という手段はなく、最後には自己破産するしか残された道はありませんでした。それでも、子供の進学は諦めたくなかったので続けて塾に通わせていました。そうして、借金が増えていくと、自転車操業のようになり、他のカード会社の支払いをするためにまた、他のカード会社から借りなければやっていくことはできませんでした。私自身も自己破産に関してはそんなに詳しく知りませんでしたので、あんなみじめな結果になるとは思いもよりませんでした。しかし、結局は自己破産という選択肢しかなく、仕方なく自己破産を申し立てました。
八王子の裁判所に何回となく通いました。もちろん、弁護士さんをたてて行いましたが、あの時のみじめさは今でも忘れることができません。裁判所から、差し押さえの令状が届き、裁判所の方が家に乗り込んできました。差し押さえられたのは、家はもちろんのこと、車まで差し押さえられました。その時、私しか家にいなかったので、裁判所の方を駐車場まで案内して、捜査員の方は5人くらいいました。大きな声で話すので何事が起きたのかと近所の人が集まってきてとても恥ずかしくみじめな思いをしました。
幸い、家は他の不動産屋の方が買い戻し、話し合いでこのまま住んでいいということになり、一安心しましたが、本来免責がでれば10年でブラックリストからは外されるはずなのですが、20年、30年経った今でも現実はカードも作れない状態です。自己破産では免責がでれば、借金は免除されます。
●2014年に債務整理しました
私は30歳独身のフリーターです。2014年に弁護士事務所で相談の末、借金の債務整理を行いました。債務整理を行う前は音楽関係のプロを目指して活動をしていて生活費や交遊費を賄うため消費者金融4社から総額で約100万円の借金をしていました。いわゆる多重債務です。4社全ての貸付限度額マックスまで借り入れた後に、アルバイトをしながら毎月少しづつ返していましたが、収入が少なかったため返した分のお金をまた引き出して使ってしまうという悪循環になっていました。
さらに返済には利息も含まれているため元金の返済には三歩進んで二歩下がるというような精神的に辛いペースになってしまっていたのです。このままでは同じことを繰り返すし、自力での完済に自信がなかったので弁護士に相談することになりました。私が行ったのは任意整理というもので、払いすぎた利息の返還や将来払うべき利息のカット出来るというメリットがあります。
私の場合は法律改正後からの借金だったので利息の過払いはなく返還もありませんでしたが、当時の返済ペースから測ることのできる完済までの利息を計算してもらった結果、約30万円の将来払うべき利息金額がカットされました。しかし任意整理には、完済から5年以内はクレジットカードの契約やローンの契約ができないデメリットもあります。このようにメリットとデメリットそれぞれありますが、精神的な安定を得られたことが何よりも良かったと思えることです。
どの債務整理を選ぶべきか?選択基準となる3つの質問
債務整理には大きく分けて「任意整理」、「個人再生」、「自己破産」の3つの方法があります。この3つの中からどれを選ぶべきか?は実際に手続きを行う人がどのようなニーズを持っているかによって判断する必要があります。債務整理の方法を選ぶ時には、以下のような「3つの質問」に答える形で判断すると良いでしょう。
質問1:現在の収入で、どれぐらいの借金であれば返せる?
質問2:家族にばれても大丈夫?
質問3:失いたくない財産がある?
質問1 現在の収入で、どれぐらいの借金であれば返せる?
まず、現在の収入から考えて、債務整理を行えば借金を完済できる見込みがあるのかどうかを考える必要があります。
任意整理の場合、いくら借金を減額してもらえるかは債権者側との交渉によるのでいちがいには言えませんが、ほとんどのケースで「利息の免除」という形で和解契約を結ぶことになります。ここでいう利息の免除というのは過去に発生して未払いになっている利息だけではなく、将来的に発生する見込みの利息も含まれます。
借金元本だけであれば現在の収入から返済していくことができるという場合には任意整理を選択すると良いでしょう。消費者金融の明細などから現在の借金残高の合計を計算してみてください。毎月の収入から返済に回せる金額で、その合計額を完済するのに何ヶ月ぐらいかかるか?を判断基準にしてみると良いでしょう。
借金の元本についても免除してほしいという場合には個人再生または自己破産を選択する必要があります。個人再生を行うと借金残高の5分の4程度を減額してもらえます。例えば借金が1000万円あるという場合には800万円を減額して200万円を返済していくことになります。
個人再生であればマイホームを失うことなく借金減額を認めてもらう「住宅ローン特例」を使うこともできるので検討してみると良いでしょう。自己破産の場合には原則として借金全額を免除してもらうことが可能です(つまり借金は0円になるということです)借金の金額が現在の収入から考えて大きくなりすぎているという場合には自己破産を選択する必要があります。
質問2 家族にばれても大丈夫?
あなたが債務整理を行うことについて家族が知ってしまっても問題がないか?ということも重要です。借金の問題は家族にはなかなか相談しづらいものですよね。中には「家族にだけは借金の存在を知られたくない」と考えている人もおられるかもしれません。
家族に債務整理や借金の事実を絶対に知られたくないという場合には、任意整理を選択するのが適切です。任意整理は裁判所を通すことなく債権者側と直接的に交渉を行う方法なので、手続きも簡便で費用も安く済ませることができます。
個人再生や自己破産では裁判所を通した手続きになるため、家族の財産や収入についても申告する必要があります。また、次の項目でご説明させていただく通り、個人再生や自己破産では所有している財産を処分する(売却する)必要があるため、家族にばれてしまう可能性も高くなります。
質問3 失いたくない財産がある?
個人再生や自己破産を行う場合には、所有している財産については債権者側に引き渡す必要があります。(ただし、個人再生の場合にはマイホームを手放すことなく借金減額してもらえる「住宅ローン特例」という方法もあります)
仕事で自動車を使うことが必須という方や、マイホームには思い入れがあるので絶対に手放したくないという方の場合は自己破産や個人再生を選択するのは難しいと言えます。
その場合には任意整理を選択しましょう。
なお、これらの方法(個人再生または自己破産)をとったとしても生活していくために最低限必要な現金や銀行預金は手元に残すことができます。具体的な金額で言えば銀行預金で20万円以内、現金で100万円以内であれば手続き後にも持ち続けることが可能になります。
債務整理をしたときのデメリットは?
債務整理を行えば、借金の残高を大幅に減らしてもらうことが可能になります。ですが、債務整理を行うことによってこうむってしまうデメリットにも注意しておく必要があります。
債務整理を行うと以下のようなデメリットがあります。借金を減額または免除してもらえるというメリットと、以下でご説明させていただくデメリットを見比べてみて、それでもメリットが大きい!と感じるのであれば実際に手続きを進めてみると良いでしょう。債務整理の手続きは法律の専門家(弁護士または司法書士)に依頼することによってスムーズに進めることができますよ。
自己破産や個人再生では財産を手放す必要がある
個人再生や自己破産では、借金の減額または免除を認めてもらえる代わりに、あなたが今所有している財産については債権者側に引き渡す必要があります。処分する必要のある財産は、自己破産の場合には最低限の現預金を除いたすべてです(個人再生の場合にはマイホームを除くすべてです)自動車やマイホームといった目に見えるものだけではなく、生命保険の満期金なども含まれるので注意しましょう。
5年〜10年間は新たにローンを組むことが難しくなる
債務整理を行うことによるデメリットの2つ目は、いわゆる「ブラックリスト」に載ってしまうことです。ブラックリストというのは金融機関の情報ネットワーク上で「要注意人物」として登録されてしまうことで、このブラックリストに登録されている期間中は新規のローンを組むことが事実上不可能になってしまいます。
ブラックリストに登録されているのはどの債務整理を選択するかによって異なります。任意整理や個人再生の場合には減額してもらった借金を完済してから5年間、自己破産の場合には借金の免責をしてもらった時点から10年間が経過するとブラックリストからは抹消してもらえます。
気になる債務整理の費用はどのぐらい?
専門家に対して支払う必要のある費用は、どの債務整理の方法を選択するかによって異なります。以下、法律の専門家に手続きを代行してもらった時にかかる費用の相場についてご説明させていただきますので、ご自分の自己資金と比較しながら検討してみてください。なお、専門家の費用は後払いや分割払いにも応じてもらえることがほとんどです。
【任意整理の費用】
任意整理の場合、専門家に支払う費用は「着手金」と「成功報酬」の2種類の合計額になります。着手金というのはその名の通り専門家に手続きをスタートしてもらうために必要になるお金です。任意整理の場合の相場は債権者1件につき2万円〜3万円程度のところが多いです。
成功報酬は債務整理を行ったことにより、「減額に成功した借金額×10%」といった形で支払う必要のある費用です。たとえば、100万円の借金減額に成功した場合には100万円×10%=10万円が費用として必要になるということですね。成功報酬の費用相場は「減額した借金額×10〜15%」が相場です。
【個人再生の費用】
個人再生の場合には着手金のみの支払いとなるのが一般的です。費用相場は30万円〜50万円と高額ですが、減額してもらえる借金の金額がその分大きいので、ほとんどのケースで利益となることが多いです。なお、個人再生の場合には住宅ローン特例を使うかどうかによって費用が大きく異なります。住宅ローン特例を使う場合には10万円程度費用が追加で必要になることが多いです。
【自己破産の費用】
自己破産の費用相場は30万円〜50万円程度です。こちらも高額に感じる方もおられるかもしれませんが、自己破産を行うと現在の借金すべてを免除(つまり0円になる)してもらうことが可能ですので、メリットの方が大きいケースがほとんどです。なお、個人再生や自己破産の場合には専門家に支払う費用に加えて、裁判所に対して支払う費用が必要になります(申し立て費用3万円や、個人再生委員が選任される場合にはその費用が必要です)
債務整理は自分でやった方がお得なのか?
債務整理は自力で行うことも可能ですが、ほとんどの人は弁護士や司法書士などの専門家に依頼して手続きを行っています。任意整理の場合には専門家ではない人が交渉を持ちかけても応じてもらえないことが多いですし、個人再生や自己破産などの裁判所を通じた手続きでは膨大な数の必要書類を準備しなくてはなりません。法律的な知識のない人が債務整理を自力で行うことは現実的ではないというのが実情です。
債務整理についてのまとめ
以上、債務整理のメリットやデメリット、かかる費用についてご説明させていただきました。債務整理には本文でも解説させていただいたようにデメリットもありますが、ほとんどの人の場合は借金の減額または免除というおおきなメリットを受けることが可能です。
実際に手続きを行うかどうかは専門家のアドバイスを受けながら決めると良いでしょう。専門家の事務所では相談を無料で受け付けてくれていることがほとんどですので、一度相談してみると良いですよ。