債務整理を行う場合、今ある借金が軽減します。では債務整理を行った場合の費用ってどれくらいかかるのでしょうか。債務整理を行おうと考えている人は、多重債務に陥り、現時点で首が完全に回らない状態に陥っている事だと思います。その様な時は、何をどうしていいか判断がつかないものです。今回は任意整理を行った際の費用やその費用対効果についてお話しします。

債務整理の中でも、一番軽い債務整理方法に当たるのが任意整理です。任意整理は、債権者と弁護士(あるいは司法書士)が裁判所を通す事なく、和解交渉を経て成立します。裁判所を通さない分、その費用も安いとお考え下さい。よく、インターネット等で調べてみると、その費用は

・20,000 ~ 35,000円/件
・減額交渉×10%~20%/件

と内容が記載されています。例えば、借入先が3社、各50万円を借り入れていた場合を想定した場合、合計150万円だったとします。3社を相手に和解交渉をし、成立した場合、

・3社×20,000~35,000円=60,000~95,000円

になるという事です。更に弁護士(司法書士)は、この和解交渉をする中で、過払金の計算もします。過払金とは、法律で定められた以上の金利を支払っていた場合に発生するもので、2006年以前からカードローンを利用していた人は、この過払金が発生する可能性があります。過払金は払い過ぎた利息が返ってくるお金とお考え下さい。仮に、この過払金が各社とも5万円ずつあったと仮定すると、

減額交渉(過払金)50,000円×10%~20%=5,000 ~ 10,000円
5,000 ~ 10,000円×3社=15,000円~30,000円が弁護士(司法書士)の報酬として徴収されます。

つまり、上記の場合、弁護士費用の合計は65,000 円 ~ 105,000円程度になると言う事です。
ただ、これはあくまで任意整理を行った場合の基本金額となります。別途、弁護士(司法書士)との打合せ費用が発生すると考えておいた方がよいでしょう。打合せ費用は、10,000円/時間程度を要求してくるところが多いです。あるいは、交渉費用・諸費用を含めてくるところもあります。概ね、任意整理には150,000円~200,000円程度が相場だとお考え下さい。

この費用は決して安い費用ではありません。しかし、今現状多重債務に陥って首が回わらない人にとっては、まず債務整理をする事を弁護士(司法書士)に相談するしかないと言えるでしょう。
では、この弁護士費用を支払うタイミングはいつなのか?当然最初に支払う事は出来ない状況だと思います。そのため、弁護士費用としてはまず着手金を支払う事になります。この金額の設定は、いくら以上というものはありません。弁護士(司法書士)は債務者にお金が無い事は重々承知です。着手金は数千円でもよいので、契約成立のために支払う事になります。

任意整理では、債権者と弁護士(司法書士)が交渉中の期間は、自分が債権者に返済をする事は一切ありません。また、債権者と弁護士(司法書士)の交渉は短くても5ヶ月程度はかかります。この交渉期間に、ある程度お金を貯めておく必要があります。返済義務が止まるので、あなたの収入はすべて残る事になります。そのため、その収入から月々返済額程度の金額を貯めていく事になります。

ここで貯まったお金は和解交渉後の返済金額に充てる事になります。この時点では弁護士費用は発生しません。そして、和解交渉後、返済生活が安定してきた後、除々に弁護士費用を支払っていく(分割)事になります。

この様に、債務整理にかかる費用は決して安くはありませんが、その費用はあなたが立ち直った後に支払う事になりますので、債務整理をするかどうか悩むより、弁護士や司法書士に早く相談する事をお勧めします。