借金を返済する目的で行うおまとめローンや借り換えローンは、借金返済に有効なのでしょうか?今回はこのおまとめローン、借り換えローンについてお話しします。

借金返済の先送りに過ぎない

おまとめローン、借り換えローンは確かに借金返済において、有効な手段の一つと言えます。おまとめ、借り換えローンをすれば、その利息が今より軽減される場合が多く、今の状況よりも借金の総返済額は減る傾向にあるからです。但し、この手段が有効なのは、確実に利息が軽減される場合のみで、今よりも返済金額が上がってしまえば、元も子もありません。また、運よくおまとめ、借り換えローンが成功したとしても、借金の総額が大きく減るものではないのです。

多重債務者というのは、借入金額が大きく膨らみ、既に返済能力を超えた借金をしているケースが多いと言えます。この様な状態を自転車操業に陥っている人と言いますが、正直、この様な人がおまとめ、借り換えローンを組んだとしても、基本的には返済出来る能力を超えた借入に陥っているため、返済そのものが楽になるという事にはなりません。行きつく末は、おまとめ、借り換えローンをしたとしても、借金返済が出来ないという状態に陥る事になります。つまり、借金返済の先送りをしている事に他なりません。

借金返済の根本解決は債務整理

借金を解決する手段として、まず考えなければならないのは、今の借金をどれだけ削減できるかという事です。今の借金状態を返済するのではなく、借金金額を削減してもらうという事です。これがなければ、借金地獄から抜け出す事は出来ないでしょう。そして、それが出来るのは債務整理という手段だけです。債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産という手段があります。どの手段を取るかは、相談する司法書士や弁護士と打合せをして決める事になります。

おまとめローンと債務整理の比較

例えば、A社から100万円、B社から100万円、C社から100万円の総額300万円を借入していると仮定します。おまとめローンで、年率14%で借り換えが出来たとすると、単純に300万円+(300万円×0.14)=342万円(実際にはこれ以上の返済が必要)に対し、債務整理で任意整理をした場合、300万円を3年間で分割して返済することになります。債務整理で個人再生をした場合、100万円を3年間で分割して返済という事になるのです。おまとめローンという選択をした場合は、総額342万円以上を返済しなければなりません。

また、完済までには相当な年数(8年以上)が必要になります。この様に、おまとめローンと債務整理を比較した場合、どれが一番借金返済に有効な手段になると思いますか?もちろん、返済額が削減できる一番良い方法が個人再生でしょう。次に任意整理という事になります。

この様に、借金を返済するには、まず借金を軽減する事を最初に考えるべきなのです。おまとめローンと言う手段も有効ではありますが、これではいつまで経っても借金が返済出来ません。借金を先送りするのではなく、抜本的な解決手段を選んで下さい。

債務整理はどうやれば行えるのか?

債務整理を行う場合は、まず弁護士や司法書士に相談する事です。借金総額が130万円未満であれば、司法書士に依頼する事が出来ませんので、その様な人は弁護士に依頼する事になります。基本的に、債務整理の手段は弁護士や司法書士と相談の上、取れる手段を一緒に検討する事になります。あなたが独身者、あるいは既婚者、子供の有無などによっても、最適な債務整理の手段が異なりますので、まずは弁護士や司法書士とよく相談の上、最適な債務整理を行うようにしましょう。