過払い金請求は過去に消費者金融などに払い過ぎたお金を返してもらうための手続きのことです。過払い金はいわば「間違って払ってしまったお金」ですので、当然返還してもらうことができます。ですが、過払い金請求を行うことによって何かデメリットがあるならしたくないと考えている方も多いのではないでしょうか?
具体的には過払い金請求を行うことによって金融機関から「ブラックリスト扱い」にされてしまうことが心配という方が多い様です。結論から言うと、過払い金請求を行ったからといって必ずブラックリストに登録されてしまうというわけではありません。ここでは過払い金請求とブラックリストの関係について確認しておきましょう。
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過払い金請求は、ブラックリストに登録される場合とされない場合がある
過払い金請求を行った結果として、ブラックリストに登録されてしまうケースと、登録されないケースが考えられます。ブラックリストに登録されてしまうのは、「過払い金請求を行った後にも借金の残高が残る場合」です。この様な場合には借金の支払い条件に変更があったものとして信用情報機関に事故情報が登録されてしまいます。
たとえば現在100万円の借金残高があって、30万円の過払い金請求が行えるというような場合です。この場合、過払い金請求を行っても70万円(100万円ー30万円)の借金が残ることになりますので、ブラックリストに登録されてしまいます。
過払い金請求を行った結果、借金残高が残らない時にはブラックリスト登録されない
逆に、過払い金請求を行った後には借金残高が0円になるというような場合にばブラックリスト登録されてしまうことはありません。たとえば、100万円の借金残高があるけれど、120万円の過払い金請求ができるという様な場合です。過払い金請求を行うと、借金残高については0円になり、さらに20万円を取り返すことができます。
このような場合の過払い金請求は、単純に「間違って支払ってしまった自分のお金を返してもらう手続き」になりますので、信用情報機関に事故情報として登録されてしまうことはありません。
過去に完済した借金について過払い金請求する場合もブラックリスト登録されない
過去に完済して残高0円になっている借金について過払い金請求を行う場合にもブラックリスト登録されることはありません。ここでも過払い金請求は単純に「自分のお金を返してもらうための手続き」に過ぎませんので、信用情報機関で事故情報として処理はされないためです。
クレジットカードのショッピング枠に注意
注意点としては、クレジットカード会社に対して過払い金請求を行う場合です。クレジットカードの場合、過払い金請求ができるのはキャッシング枠の残高のみとなります。法律上、ショッピング枠については「お金の貸し借り」ではなく、クレジットカード会社による立替え払いとして扱われるため、過払い金の請求ができないのです。
そのため、クレジットカード会社に対する債務の合計額よりも、過払い金の金額が大きい場合であっても、過払い金請求後にクレジットカード会社に対する債務が残ることになります。この場合は「過払い金請求を行った後にも債務の残高が残る」という形になりますので、信用情報機関には事故情報が登録されてしまうことになります。クレジットカード会社に対して過払い金請求を行う場合には少し注意が必要だということを知っておくと良いでしょう。
自分がブラックリストに登録されているかどうか?の確認方法
「自分がブラックリストに登録されているかどうか?」は気になるところですよね。自分の信用情報について信用情報機関に対して情報開示の請求をすることでいつでも知ることが可能です(情報開示請求はインターネット上で行うことが可能です)信用情報機関には「全国銀行個人信用情報センター」、「株式会社CIC」、「株式会社日本信用情報機構」の3つがありますので、それぞれに対して情報開示を請求すると良いでしょう。
ブラックリストというのは正式な用語ではありませんが、要するに「信用情報機関に事故情報が登録されている状態」のことを言います。金融機関はローンの審査を行う時にはこの情報を必ず参照しますので、もし事故情報が登録されていると高い確率で審査落ちとなってしまうのです。
まとめ
以上、過払い金請求とブラックリスト登録の関係について解説させていただきました。確認すると、過払い金請求を行った結果「借金の残高が残るとき」にはブラックリストに登録されることになりますが、そうでない場合にはブラックリスト登録されることはありません。過払い金は払い過ぎてしまった「あなたのお金」です。ブラックリストに登録されしまうから過払い金請求ができないというのはとてももったいない話です。
「自分にも過払いがあるかも…」と心当たりのある方は一度弁護士や司法書士などの事務所に相談してみることをおすすめします。過払い金請求は過去の資料を紛失しているような場合でも行うことが可能ですので、借金完済からかなり時間が経っているという人もあきらめずにチャレンジしてみると良いでしょう。